【素材別比較】おろし器のすりおろしスピードと仕上がりの違い
おろし器のすりおろしスピードは、素材そのものの特性だけでなく、刃(おろし目)の鋭さや形状によって大きく変わります。時短を重視するのか、それとも大根おろしや薬味の食感と風味を重視するのかによって、最適な素材は異なります。
ここでは、主要なおろし器の素材ごとのスピード感と、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
1. スピード重視なら「プラスチック製」や「ステンレス製」
大量におろす必要がある場合や、日常のスピードを求めるなら、刃の設計が工夫されたプラスチック製や、切れ味の鋭いステンレス製が有利です。
① プラスチック製(樹脂製)
特徴 | スピード・効率 |
すりおろし方 | 粗い目や特殊な形状の突起で、食材をすり潰しながらおろす。 |
スピード | 製品の設計次第で最速になることがある。特に目が大きく、受皿が一体になった製品は効率が良い。 |
メリット | 非常に軽量で扱いやすい。サビの心配がなく、価格が手頃。 |
デメリット | 切れ味は金属に劣るため、大根おろしは繊維が潰れて水っぽくなる傾向がある。 |
② ステンレス製(金属製)
特徴 | スピード・効率 |
すりおろし方 | 鋭い金属の刃で、食材を細かく切るようにおろす。 |
スピード | 速い。均一で鋭い切れ味を持つものが多く、力がいらずスムーズ。 |
メリット | サビに強く耐久性が高い。切れ味が良いため、大根おろしは比較的水っぽくなりにくい。 |
デメリット | 価格はプラスチック製より高め。 |
2. 仕上がりと風味重視なら「銅製」や「セラミック製」
すりおろしに多少時間がかかっても、薬味の風味や大根おろしの食感を最優先したい場合は、伝統的な製法や非金属の素材が選ばれます。
③ 銅製(職人手打ちの純銅おろし)
特徴 | スピード・効率 |
すりおろし方 | 職人がタガネで一つ一つ起こした鋭利な刃で、食材の細胞を壊さずに切断する。 |
スピード | 中程度〜速い。力はあまり必要ないが、丁寧におろすため時間はかかる。 |
メリット | 仕上がりが最高。細胞が壊れないため、水と繊維が分離せず**「ふわふわ」**の風味豊かな大根おろしができる。 |
デメリット | 非常に高価。サビを防ぐために手入れが必要。 |
④ セラミック製(陶器製)
特徴 | スピード・効率 |
すりおろし方 | 小さな**おろし目(突起)**ですり潰す。 |
スピード | 比較的遅い。金属製に比べて力が必要で時間がかかる傾向がある。 |
メリット | **金属臭(金気)**が一切つかず、薬味など香りが重要な食材に最適。サビの心配がなく、汚れが落ちやすい。 |
デメリット | 衝撃に弱く割れやすい。大根おろしは水っぽくなる。 |
3. どの素材を選ぶべき?目的別おすすめの選び方
おろし器を選ぶ際は、**「何を」「どれくらいの量」おろすか、そして「何を最も重視するか」**で判断しましょう。
選び方 | おすすめの素材 | 理由と適した食材 |
① とにかく時短したい | プラスチック製 / ステンレス製 | 大容量を効率よくおろしたい場合に適している。 |
② 大根おろしを美味しくしたい | 銅製 | 繊維を壊さず「ふわふわ」な食感に仕上がり、美味しさを追求できる。 |
③ 薬味の風味を損ないたくない | セラミック製 | 金属臭がつかないため、ショウガ、ニンニク、ワサビなどの香りを活かしたい場合に最適。 |
④ 手入れのしやすさ重視 | セラミック製 | サビの心配がなく、汚れも付きにくい。食器洗い乾燥機に対応しているものも多い。 |
おろし器は、長く使うほど愛着が湧く調理道具です。それぞれの素材の特性を理解して、あなたのキッチンに最適な一台を見つけてくださいね。